第1章 <会社選び>

この業界に入るにあたり、まず最初に考えたのは、ただ植木を切るだけの植木屋ではなく、庭作りも出きる、いわゆる庭師と言われる種類の会社を選ぶということと、鎌倉で修行するということであった。

なぜ鎌倉かというと、古い民家や寺社、仏閣が多く、より高いレベルの技を身に付けられると思ったからだ。ただ、私はこの業界に知り合いもなく、コネもなかったのでひたすら自分の足で探すしかなかった。そのためスグに見つかるはずもなく毎日足を棒のようにして聞き込み調査をしているうちに、何社か見つけてアポをとり、面接までこぎつけた。

そして、直接話をして自分と考えの合う親方に弟子入りすることを決めた。