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第5章 <独立してから>

独立してはや4年。相変わらず厳しい状態が続いている。昔のように庭の手入れや造園工事にお金を掛けなくなってきているせいか折角仕事をやらせて頂いても 2、3年おきとかのお宅が多く、毎年頼んで頂ける方は6割位であるが本当に有り難い。
私は鎌倉で修業していた為鎌倉の造園組合に所属しているので人手が足りない時はお互いに手を貸し借りして仕事を回していく様にしている。仕事が切れた時などは仲間に頼めば仕事を回してもらえるが、そんな事をしているとなかなか自分の仕事が増えないので苦しいけど、そんな時はチラシ配りや営業をしているので大分お客さんも増えてなんとか軌道にのりつつある所までやってきた。

しかし昨年は大きな岐路にさしかかり正直この仕事を続けて行こうか真剣に悩んだ。と言うのも庭の手入れなど依頼されると、ただ単にサッパリすればいいと言う方が多く、あまり修業もしないで独立した人達と同じに思われ、何でも刈れて安ければいいと言う方が多くて、嫌になる事が増え、自分達の職業の存在価値が見出せない時期だった。

そのころ私が所属している(社〉日本庭園協会から地元神奈川で講習合宿の通知が届き、私はこの状況を脱するべく参加を決意しました。この合宿は全国から造園人が集まり、それこそ朝から晩まで勉強するという厳しい4泊5日の工程である。
講師陣もすばらしく造園関連の書籍などにも作品が掲載されるような尊敬できる人達だ。そんな中で朝から晩まで庭を造り、夜は造園について熱く語るという厳しいスケジュールだったがあっという間に5日が過ぎ、自分にとって夢のような日々は終った。
自宅に帰るとミョーな自信と希望が涌いている自分がいた。これからの方向性も見えてきた。この世界に終わりはない、日々勉強と言われているが本当にその通りで、やればやる程奥の深さに悩まされる。だから研究会に入り伝統の技から新素材を使った造園まで切磋琢磨しながら努力している。

法外な請求をする業者もいる。変わってきたのは施主側だけではない。ただ切るだけならその程度の業者や旦那さんでもいい。ただ、日々暮らしてる空間だけにこだわりを持って施工業者を選んでもらいたい。
自分は今任させて頂いているお客様には本当に感謝している。だから期待に答えられるように伝統の技を学びその上で若い世代や今の住宅事情に合う庭を提案できるように努力して行きたい。